今、東京23区内へ引っ越す、地方在住の高齢者や富裕層が増えています。
かつては、生まれ育った故郷を離れず、たとえ村落を離れる場合であっても、地方の中心都市に引っ越す例が一般的だったと思われます。例えば、「福岡県○○村」に住んでいた人間が「福岡市」に引っ越すといったケースです。
しかし、今では地方都市を通り過ぎ、一気に東京へ引っ越す人が目立つようになったのです。
今、農村・漁村では?
ご存じのとおり、いま農村・漁村は衰退化の一途をたどっています。過疎化、高齢化が進み、限界集落も増えているようです。商店やスーパーマーケットが更地になっています。人が減っている以上、インフラ設備もそれ以上、便利にはなりません。いまでは当たり前となった携帯電話や光ファイバーがつながらないところも少なからずあります。
一方、東京は2020年のオリンピックに向けて、再開発が進んでおり、ベイエリアを中心にマンション購入者が増えています。
マンションの購入者を調べると、2LDK前後の物件は、購入者の住所が全国各地に広がっているのです。2LDKと言う間取りから推測すると、主に高齢者の世帯と考えられます。彼・彼女たちが東京へ居を移す理由には、子供や孫が東京に住んでいるからということがあるようです。
また、年を取ったため医療機関や交通機関が充実している都会へ引っ越したと言う説もあります。しかし地方の県庁所在地や政令指定都市であっても充分で、わざわざ東京へ来る意味が薄いでしょう。むしろ病院や老人福祉施設は、人口100万人以下の地方都市のほうが充実していると言われています。
また地方の中心都市である県庁所在地・政令指定都市すら人口流出が目立っています。貨店がファッションビルになったり、駅前のデパートがどんどん規模が小さくなったりしています。メインストリートであるアーケード街でシャッターが目立つなど、町全体が衰退しているのです。大企業の支社撤退も少なくありません。