様々な要因で下落した最近の株価
下のグラフは米国NASDAQ総合指数の年初来の推移です。新型コロナウイルスの感染拡大等に伴い、3月には年初来で35%下落しましたが、テクノロジー関連株等の株価上昇により、9月2日には年初来で34%上昇、3月の底値からは76%上昇していました。
ところが、9月3日からの3営業日で同指数は10%下落し、弱気相場(高値から20%下落と一般的に言われている)入りするという見方もあるようです。ソフトバンクGがコールオプションを数十億ドル購入していたとの報道やアップル・テスラの株式分割完了によるもの、株価上昇に伴う割高感の高まりなどが、下落の要因として挙げられています。ある特定の要因というよりも様々な要因で下落したと考えるのが良いかと思います。
「押し目買い」が本当に必要か?
今後について、「弱気相場入り」という人もいれば「押し目買いの好機」という人もいます。割高なので「弱気相場入り」という見方は理性的なように聞こえやすいですが、コロナ禍でも成長を確保してきたテクノロジー関連株などの株価上昇までも否定しているように思われます。中長期的にデジタル化は続くので「押し目買いの好機」かもしれませんが、既にリスクを取っている人が「押し目買い」で一段とリスクを取る必要もないように思います。
株価が変動したくらいで投資手法を変えるべきではない
ご自身で「弱気相場入り」もしくは「押し目買いの好機」をご判断ができれば、それに従って投資行動を起こすのもいいでしょう。しかし、考えられる様々な要因はすでに価格に反映されているはずです。気をつけるべきことは、株価が乱高下しているときには、ご自身が行おうと考えていた投資とは、違うやり方の投資に移ってしまいやすいことです。
長期国際分散投資、積立投資などご自身に合っていると判断し、採用している投資手法は株価が変動したぐらいでは変えるべきではありません。足下の株価変動は「ノイズ」と言えるぐらいに、ご自身の投資手法が確立していると良いと思います。